イントロダクション¶
はじめに¶
マルチバース・トリニティは、ある出来事から平行世界の垣根が破られた世界を舞台にしているTRPGのゲームだ。TRPGに馴染みがない読者へ向けて、簡単な説明をするならばそれは“ごっこ遊び”である。
この世界には剣と魔法があり、科学があり、現代の暮らしがあり、未来の世界がある。つまり、このTRPGで作れないキャラクターは存在しない。我々には便利な設定“マルチバース(多元宇宙)”があるのだから。
このTRPGは誰でも簡単に、そして手軽に遊べることを目的としているため非常に簡素な作りとなっている。そのため無限のデータや、分厚いシナリオ、実在しているかと見紛うほどのキャラクター製作は存在しない。
しかし、全てのTRPGを遊ぶ上で最も大切なのはGM(ゲームマスター)とPL(プレイヤー)の“想像力”である。上記の要素は全て、それを支える要素でしかない。なので、思いつくままにプレイをしてみて、想像力を働かせて欲しい。
全ての可能性は“マルチバース”の言葉の下に、全て許されるのだから。
TRPGの雰囲気¶
まずは以下のやり取りを見て欲しい。
これは、とある3人のプレイ風景を抜粋したものだ。
GM:明暗を繰り返す照明にうんざりとしながら、君たちは錆びだらけの通路を抜けていった。視界が広がったかと思えば、もっと酷い錆とひび割れた照明にボロボロになった机と椅子がお出迎え。中央でか弱い光を出している照明は心許なく、そう広くない室内に数多の暗がりを生み出していた。部屋の出口は二つ。一つは君たちの正面で、区切る扉もなにもない、暗がりの通路が見えるだけ。もう一つは金属製の扉で区切られており、丁度君たちの右の壁面にある。
PL1(ライ):うーん、そうだなぁ。こんな暗い場所には罠があってもおかしくはない。だから、まずは部屋をぐるりと見回して罠がないか探してみる
PL2(ネル):ライが罠を調べるなら、私は彼の後ろからそっと顔を出して机の上に食べられそうなものが残ってないか確認しようかしら。
ごっこ遊びは想像力の赴くままに物語ることができるが……TRPGにはダイスロールと呼ばれる判定によって、行動の結果が決まる。(あるいは、ダイスを振ることもなくGMの裁量で決まるかもしれないが)
こうしたダイスロールはこのTRPGの全てにつきまとう。君が幸運にも隠しレバーを見つけられたか、目の前で怒り狂うゴブリンの群れを何とかなだめられたか、とか。この世界にできないことはない。しかし、君にそれが可能かどうかをダイスが決めてくれるし、ダイスが可能性を数値化して教えてくれる。
じゃあ、ライとネルがその後どうなったかを見てみよう。
GM:分かった。じゃあまずはライから。君は罠がないかを確かめるために部屋を見回すんだね。
PL1:もちろん。
GM:じゃあ知力で判定しよう。ダイスを振ってみて。
PL1:(1d20を振る)あ、15だ。
GM:暗がりはよく見えなかった。次にネル。机の上に食べ物があるかを調べるんだね。じゃあ、LAKで振ってみよう。
PL2:(1d100を振る)やった! 24! 成功よ。
GM:じゃあ君は幸運にも机の上にリンゴを見つけた。これを拾ってもいいし、拾わなくてもいい。
このように、マルチバース・トリニティでPLは、他のPLが操るPC(キャラクター)と協力して、ダンジョンに挑んだり、エネミーと戦ったり、その他いろいろなことができる。
そして、PLの冒険を語っていくのがGMの役目だ。時には薄汚れた食堂を語り、時に強大なエネミーを演じ、時に愛らしい小動物にもなる。そうしてGMによって語られる冒険を聞いて、想像力を膨らませて自分たちの行動を君たちが決める。
繰り返すが、このTRPGに限界はない。全ては“マルチバース”と“体験の楽しさ”によって正当化される。
ただし、自分勝手で他者の楽しみを奪うようなことは許されない。GMを含めた参加者全員が楽しめるようにゲームを遊ぼう。そうするなら、PLもPCも何だってできる。そう、何だって。
世界観¶
マルチバース・トリニティは、何でもありの世界観だ。剣も魔法も科学も過去も現代も未来も何だってある。おまけに、この世界の大半が汚染されている。
君たちはそんな世界で生きる“冒険者”だったり“開拓者”だったりする。世界を救うことは……まぁできないかもしれない。けれど、この果てしない混乱に包まれた世界を、少しだけ照らすことはそう難しくはないだろう。
君は、どんな人になってこの世界で生きていくのだろうか。